高校無償化①
- プラザくん
- 4月10日
- 読了時間: 3分
2025年4月から高校無償化が始まります。
と言っても,千葉県では独自の授業料減免制度で世帯年収等の基準に応じた支援がすでに行われていますので,まったく初めての措置ということではありません。
すでに公立・私立ともに授業料減免という制度がある中での大きな変更点と言えば,
(1)所得制限の撤廃
(2)私立高校への支援拡充
の2点になるのではないでしょうか。
そこで,今回は「高校無償化」の賛否や是非を問うのではなく,正しく知ることから始めましょうという観点で解説をしていきたいと思います。
まず,通称「高校無償化」と言われている制度ですが,こちらは「高等学校等就学支援金制度」というのが正式名称で,支援されるのはあくまで授業料であるということを押さえておきましょう。
当たり前のことですが,高校に通うということは授業料以外にも制服代,教科書代,通学費がかかりますし,修学旅行のための積立金,部活動費などの費用もかさみます。
私立高校などでは,制服代が10万円以上,修学旅行代が20万円以上する場合もありますし,施設管理費というような名目の徴収があることも珍しくありません。
ですので,通称「高校無償化」はただで3年間通えるという訳ではありませんから,「授業料無償化」と言った方が実情に近いような気がします。

「高校無償化」重要ポイント①
所得制限の撤廃
まずは国公立高校について,2025年4月からの状況をまとめると下の表のようになりますが,国公立高校では2025年4月から年収制限がなくなり、全世帯が授業料無償になります。

「高校無償化」重要ポイント②
私立高校への支援拡充
次に,私立高校ですが,私立高校の授業料支援は2段階で変わっていきますので,所得制限の撤廃と併せて表にまとめてみました。

ポイントとしては,
①2025年4月からは年収制限なく、全世帯が年間最大396,000円の支援が受けられる。
②2026年4月からは同じく年収制限なく、全世帯が受けられる支援金が年間最大457,000円に引き上げられる。
今回の「高校無償化」について,公立と私立を比較してみると,もともと公立高校の方が授業料が安価だったことや千葉県の授業料減免制度のことなどもあり,公立高校よりも私立高校への恩恵が大きいように見えてしまうかもしれません。
ですから,かつて公立王国と言われ,公立高校への高い進学率が長く続いてきた千葉県であっても,今回の「高校無償化」が与える影響はかなりインパクトのあるものになるような気がします。
なぜなら,「私立はお金がかかる」という制限がなくなってしまえば,校舎や設備などの環境面,土曜日授業や長期休業時の補講などの進学面において,一部の公立を除いては私立に軍配が上がるであろうことが予想されるからです。
よって,2024年7月の「公立高校離れ」でもお伝えしましたが,公立入試一本化以降ただでさえ公立離れが進んでいる状況の中,今回の「高校無償化」は公立離れをより加速する後押しになるかもしれません。
その結果,千葉県高校入試の全体像が変わっていく可能性も十分あるように思います。
今回は「高校無償化」について正しく知ろうというテーマでお届けしました。
次回は「高校無償化」が与える影響について触れていこうと思います。