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公立から私立への志望移動

教育プラザの塾生保護者様を対象とした高校入試説明会から、前回は「公立高校離れ」についてお伝えしました。

第2弾の今回は「公立から私立への志望移動」について解説していきます。


第2弾は「公立から私立への志望移動」


令和3年度の公立高校入試一本化のころからの傾向として、最近の千葉県公立高校入試の特徴というと


①公立第一志望者の割合が70%前後に下がってきていること

②上位校・普通科に人気が集中していること

③定員割れの高校が続出していること


などが挙げられるということを前回お伝えしました。

では、公立高校を目指さなくなった受験生たちはどこへ行ったかというと、当然そのほとんどが私立高校への進学を選んでいます。

公立高校入試が一本化されるというのが判明したころから、色々な憶測が飛び交っていましたが、正直なところこれほどまでに私立高校へのハードルが下がるとは予想していませんでした。



《公立から私立への志望移動が一気に進んだ要因》


①公立入試一本化への不安


「公立が1回しか受けられない…」 


千葉県では、特色化選抜 ⇒ 前期・後期制と長年続いた公立高校2回受験という制度が一変した訳ですから、心理的に不安を感じるのも当然のことと思われます。

実際のところ、私立高校入試が終わってから公立入試までの1か月間は、なかなかモチベーションを維持し切れないという声も耳にします。


しかし、ここ数年はただ不安という理由ではなく、1回だからこその新しい意識が広まってきているように感じます。


「行きたい公立高校を目指すには納得のいく私立の結果が必要!」


公立高校が第一志望校ではあるものの、万が一のときの私立高校は確実に取っておきたいという意識が、一本化前よりも強くなっているのかもしれません。

また、私立高校で納得の結果が得られた場合、当初は公立高校を受験予定だった人もそのまま私立高校進学を選ぶというケースも増えてきているのが最近の特徴です。


さらに、上位校を目指す受験生たちは


「納得の私立を確保できれば公立はチャレンジ!」


結果として、公立上位校への人気が集中するという構図が出来上がりつつあります。



②私立高校に対する認識の変化


「就学支援金制度の拡充」 


私立高校就学支援金制度

国による私立高校就学支援金と千葉県独自の授業料減免制度により、私立高校の授業料実質無償化の流れが追い風になっているのは間違いなさそうです。

ひと昔前の「私立は高い!」という認識から、「私立の授業料は予備校代の前払い」と考えるご家庭が増えているのは確かなようです。


実際、私立高校では土曜日も授業を行うのは珍しくありませんし、長期休業中に補講を組むといったサポートも積極的であることが多いようです。



③コロナ禍で露呈した公立と私立の差


こればかりはタイミングの問題なので、公立高校には気の毒としか言いようがありませんが、公立高校入試一本化と新型コロナウィルス感染症の拡大時期が重なった偶然により、オンライン授業やICT教育の充実度合いの差が如実に表れてしまいました。


さすがに、施設・設備という点に関しては、私立高校に軍配が上がるのは致し方ないと思います。

ただ、我が子を3年間預ける親御さんの意識としては、私立高校の施設・設備および教育内容の充実度を再評価する結果となったのは言うまでもありません。



最近の保護者面談で志望校のことをお聞きすると、公立入試一本化以前よりも私立高校に対するハードルが下がっているのは肌感覚としてあります。

本人に合っているところ、本人が望むのであればという枕詞がつきつつも、私立高校で納得できれば、その時点で高校受験終了というご家庭は確実に増えつつあるように思います。


こればかりはどちらがいい・悪いということでもありませんし、公立・私立のどちらがお勧めという訳でもありませんが、少なくとも最近は、公立高校離れ・私立高校への志望移動という傾向が顕著になっているのは事実のようです。


今回は「公立から私立への志望移動」についてお伝えしました。

次回は「公立高校の入試制度」について解説していきます。

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