「3年生までにやっておきたい〇〇」シリーズの第3回は「文章題」をテーマにお届けします。
計算については、同コラムの25~29である程度掘り下げましたので、今回は算数の文章題への取り組み方について考えてみたいと思います。
まずはじめに、お子さんは算数の文章題が得意ですか?苦手ですか?
得意な方はあまり問題意識を感じたことはないかもしれませんが、あまり得意ではないとお考えの方は、学年が上がるとどうなってしまうのか一抹の不安を感じたりもしますよね。
では、小学低学年のお子さんたちが実感している得意とか苦手というのは、どういう状況でしょうか?
おそらく大人が考えるほど確かな感覚を持っている訳ではなく、「なんとなく…」というのがお子さんたちの実感に近いのではないかと思います。
例えば、文章題が苦にならないお子さんに式の説明を促した場合、果たしてきちんと説明できるでしょうか?
自分が考えていたプロセスを相手に分かりやすく伝えるには、頭の中にあるイメージを言語化する必要があります。
言語化するには当然ながら言葉の力が必要ですから、低学年のお子さんであればおそらく言葉足らずな説明になってしまうのが一般的ではないかと思います。
逆を言うと、文章題が苦手なお子さんも、なぜ苦手かを言葉にして説明するのはとてもハードルが高い作業と言えます。
ただでさえ、苦手意識を持っている文章題に対して、「何がわからないの?」・「式はつくれるの?」と聞いてみても、「何がわからないかわからない!」という禅問答のようなやりとりになってしまうかもしれません。
【 算数の文章題に国語の読解力は必要か? 】
「国語の読解力がないから算数の文章題ができない!」という話を耳にされたことはありませんか?
一見その通りと相槌を打ってしまいそうになりますが、そのお話をお聞きするたびにふと素朴な疑問が浮かびます。
「算数の文章題って、低学年のうちはせいぜい2~3行程度しか書いていないんだけど…?」
実は読解力というほど大げさなことではなく、言葉のフレーズでなんとなく捉えていることで誤認識しているケースが多いのではないかと思います。
例えば小学1年生の文章題では、「あわせていくつ?・ちがいはいくつ?」という明らかに増えるか減るかがわかりやすい表現で書かれている問題から始まります。
そして、次第に増えることを「もらう・あとからやってくる」という表現に置き換えたり、減ることを「あげる・いなくなる」という書き方に変えたりして、少しずついろんな問われ方が出てくるようになります。
しかし、この時に大切なのは、初めにあったものが増えたか減ったかをきちんと認識することです。
そのためには、絵や図にして「初めにあるもの⇒最後にあるもの」の流れがつかめるようにしておくことが、後々とても役に立ちます。
文章題のストーリーを、自分なりに見える化しておくということです。
なぜかと言うと、小学2年生ではもらってもひき算をすることが出てくるからです。
例題
①Aさんはアメを3こもっていて、お母さんから5こもらうとあわせていくつになるでしょう。
②Aさんはアメをいくつかもっていて、お母さんから5こもらうとあわせて7こになりました。
はじめにいくつもっていたのでしょう。
同じようにお母さんから5こもらうのに、
①は3+5=8、②は7-5=2という式になります。
つまり、「もらう=増える」・「あわせる=たし算」ではないということです。
【 文章題で3年生までにできるようにしておきたいこと 】
①はじめはいくつ?
②その次にいくつ?
③さいごにいくつ?
この3点の流れが見えるように図式化することを習慣づけていけば、紛らわしい言葉に惑わされずに文章題で式を立てることができるかもしれません。
低学年の間は、なんて書いてあるかではなく、結局増えたか減ったかを見分けることが文章題を解いていくうえで重要な要素ではないかと思われます。
最後に低学年の質問でこれが出たらまずいワースト1・2をお伝えしておきます。
「ねえ、式教えて?」
「たすの・ひくのどっち?」
⇒まずは絵にしてみようと促してあげましょう!
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