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39. 3年生までにやっておきたい漢字とことば

「3年生までにやっておきたい〇〇」シリーズの第2回は「漢字とことば」をテーマにお届けします。


小学校で習う漢字は、学習指導要領により学年別漢字配当が決められています。

それによると、小学1年生が80字、2年生が160字、3・4年生が200字、5年生が185字、6年生が181字となっています。

意外なことに1年間で習う新しい漢字は、小学3・4年生が一番多くなっているのをご存じでしょうか。


ちなみに、配当漢字は

① 画数の少ない漢字から、多い漢字へ

② 身近な漢字から、抽象的な概念を表す漢字に

③ 他教科との関連から配当されている

というような観点で振り分けられているようです。

①の観点からすると、1年生で 口・耳・目・手・足、 2年生で 顔・頭・首、 3年生で 鼻というのも何となくうなずけるような気がしますし、②の観点からすれば、同じ「しめすへん」でも「祭」は3年生、「票」は4年生、大元の「示」は5年生で習うというような逆転現象が起こるのも分かるような気がします。



【 3年生の漢字は、1・2年生の漢字の組み合わせでできている! 】


小学3年生配当漢字200字のうち、小学1・2年生で習った漢字が部分的に使われているのが110字以上あります。

実に60%近くの漢字が部分的に習ったことがある漢字ということになります。

また、その中でも小学1・2年生で習った漢字だけでできている漢字は、「暗・横・始・終・習・談・等・畑…」など20字以上あります。


つまり、小学3年生で新しく習う漢字は見覚えがあるものが多いということが言えますが、大切なのは、見覚えがある形という漢字のフォルムよりも、漢字の意味や成り立ちを知っていることです。

小学1・2年生で習う漢字は画数が少なめであるだけでなく、身近なものが多いというのは前述の通りですから、「音と訓の読みが分かる」ことや「どういう場面や熟語で使うのかが分かる」ということが身についていると、小学3年生以降にも大いに役立つはずです。



【 漢字は熟語で覚えておく! 】


今でも小学校の宿題で新出漢字の練習が課されていることと思います。

やり方は学校や先生によっても異なるようですが、往々にして保護者の方々の子ども時代をあまり変わらない方法でやっていらっしゃるのではないでしょうか。

①新出漢字を大きめに書く

②新出漢字だけを何度か書く

③読みを書く

④意味を書く

⑤熟語を書く

⑥短文を書く


さすがに最近は、書き順を覚えるために1画ずつ書いていくという作業は減ったようですが、それでもおおよそ上記の通りではないでしょうか。

小学1・2年生は、漢字の学習も初期段階ということで、①~③が重視されがちですが、実際に中学受験の国語で要求されるのは、「文章中で使えることばになっているかどうか」ということですから、将来的に国語の力として必要となってくるのは④~⑥だと思います。

もちろん必要最低限の読み書きはできるのが前提ですが、漢字はその意味や成り立ちを知っていると熟語を増やしていきやすくなりますので、「文章中で使えることば」も一気に増やしていくことができますし、短文作りで実際に使う場面を想像するのも大いに役に立つのではないでしょうか。



【 熟語探しで漢字を面白く覚える! 】


小学1・2年生のお子さんは、漢字10問テストと言っても嫌がることはさほど多くありませんが、高学年になると漢字テストは好きじゃないという方がとても多くなってきます。

と言うよりもテストと名がつくものを喜んで受けるお子さん自体が減っていくといった方が正確でしょうか。


かつて小学4年生の国語の授業で、漢字がなかなか覚えられないお子さんたちに漢字テストのペナルティを与えないで漢字を身につけるということを実践したことがあります。

ペナルティというのは、よくある間違えた漢字を10回書き直すとか、不合格なら再テストをするなどです。


結果からお伝えすると、最初の1か月は目立った成果が見えませんでしたが、2~3か月経つ頃には、漢字テストの結果も向上し、少しずつ自信をもって前向きに取り組めるようになっていきました。

そして、半年過ぎたころには、漢字テストは合格するのが当たり前になっただけでなく、他の教科に対する取り組みも前向きになっていきました。

ちなみに、その時に心がけていたことは至ってシンプルです。


①新出漢字の読みは丁寧に行う

②新出漢字は代表的な熟語で伝え、その意味を辞書で調べる

③漢字練習をしてきたこと自体を褒める(認める)

④書けない漢字は、他の熟語でカバーする


まずは全教科に共通することとして、「読めないものは書けない」ということがあります。

これは漢字や言葉の知識に限らず、理科・社会の用語であっても同じです。


次に、漢字は1文字ずつ覚えるのではなく、実際に用途の高い熟語でインプットしていくというのも重要です。

1文字ずつの羅列だと実際に使えることばになりにくいですし、そもそも1字ずつ練習するのが面倒というお子さんもいらっしゃるかと思います。

さらに、意味も分からずに書いていては、単なる書写になってしまいますので、できれば意味調べをしてメモをしておくのもとても有効だと思います。


また、漢字テストはできなかったことよりもできたことを褒め続けることも大切な点ですし、仮に練習してきたのに書けない場合には、救済策も用意しておくようにしました。

漢字テストで聞かれている熟語は分からないけど、その漢字を使った他の熟語が書けたら正解にするということをやってみると、最初にインプットする段階から熟語を増やしておいたほうが得ということに気づいてくれたようです。


小学校の宿題で行う漢字練習が、遊び心を持った熟語探しの要素を含んでいれば理想的ですが、仮にそうでなかったとしても、同じ漢字を使った他の読み方や熟語などを探したり、口頭でクイズのように聞いてみたりして、アウトプットしていくのも面白いかもしれません。


小学1・2年生のうちは、未知の漢字やことばばかりでしょうから、それらに興味を持って書いたり調べたりしていきながら、アウトプットする機会を増やしていくことで、使える漢字やことばが増えていくと理想的ですね。

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