今回は小学5年生以降の中学受験学習についてお伝えします。
【 小学5年生 】
○国語○
どんな文章にも使える読解のコツを習得し、知識事項は量を増やすとき
4年生で身につけた文章読解の基礎を、あらゆる文章に応用させていくことが大きな目標となります。
初見の文章を制限時間内に的確に答えていくには、それ相応の訓練が必要ですから、5年生の間に文章の読み取り方、設問への答え方などをある程度仕上げていくつもりで学習していきましょう。
また、知識事項は、4年生からの反復となる内容が多く出てきます。
漢字の読み書きは当然ながら、慣用句・ことわざ・四字熟語やことばのきまり(文法)もインプット量を増やしていきましょう。
○算数○
中学受験特有の特殊算や図形などを網羅し、比を用いて考えるように進化させるとき
中学受験の算数は5年生の内容がとても重要で、ここをどう乗り切るかによって、6年生以降の伸びが決まってくると言っても過言ではありません。
四谷大塚のカリキュラムでは、5年㊤まででほぼ全単元の学習を終え、5年㊦からは既習単元と比を融合させていく内容となりますので、5年生夏休みまでに単元学習の理解・解法の定着・原理の応用などがある程度できているのが理想的な姿と言えます。
実際に塾生さんや保護者様には、受験算数は5年の㊦が勝負!なんてことをお伝えすることもよくあるくらいですから、得意な単元はあっても苦手な単元は残さないように夏休みを終えることが大切です。
また、いろんな単元の内容を深く扱いますので、問題を解いていく際のルーティンとなる作業を自分で再現できるようにしておくこと、そのための反復練習を怠らないことが必要となってきます。
○理科○
関連付けられた知識の定着と重要な原理・法則を習得するとき
生物・地学・化学・物理の4領域すべてにおいて、ほとんどの単元を5年生で習い終えます。
各単元の内容理解はもちろんのこと、関連する事柄や知識を整理しながら進めていくことも重要になってきます。
例えば四谷大塚のカリキュラムであれば、小学4年生で習った「物の溶け方」・「水溶液の分類」は、5年生で扱う「気体」・「水溶液の中和」と関連付けて理解しておかないと、実際の問題に対応できなくなってしまいます。
また、同様に4年生の「太陽」・「星座」・「月」といった単元は、5年生の「季節と星座」・「太陽と地球」などの天体として学習内容が深まっていきます。
6年生㊤の段階で総合問題としてのまとめに入るときに、抜けや漏れがないのは当然のこと、いろんな単元をより大きな分野として理解しておくことはとても重要です。
○社会○
日本地理の知識の完成と因果関係を踏まえた歴史を習得するとき
4年生で学習した基本的な日本地理の特徴をより深めていくのが、四谷大塚5年㊤のカリキュラムとなっています。
5年㊦では一転して歴史が始まりますので、日本地理の完成は5年生の夏休みまでとなりますから、ここであやふやなものや知識不足に陥ってしまうと、後々取り戻すのがとても大変になってしまいます。
また、小学校では6年生で扱う歴史も5年㊦で昭和時代まで終わってしまうというスピードで進んでいきますので、苦手な時代を作ってしまうとなかなか追いつけなくなってくるのが実情です。
加えて、地名・人名などは基本的に漢字で書けるようにしておきましょう。
【 小学6年生㊤ 】
○国語○
文章テーマおよび出題形式別に解答作成方法を最終確認するとき
5年生までに文章読解の解き方はある程度出来上がっている段階でしょうから、6年㊤では答案作成力を磨き上げていくために、いかにアウトプットしていくかということを念頭に置いて問題演習を進めていくべきでしょう。
実際の入試問題に適応できるよう、時間と処理速度も意識して練習していくことをお勧めしています。
○算数○
単元学習の応用・融合から入試問題レベルへとさらなる進化のとき
実際の入試問題に対応できるように、これまでに習った単元の内容をより実戦的に応用させていくようになります。
同時に異なる単元の内容を融合させて1つの問題を解いていくような作業も増えてくるはずです。
よくご家庭の方々にお話をしますが、「つるかめ算を使って解きなさい」という出題はありませんが、解き進めていく内に「最後はつるかめ算で解ける!」と気づけるかどうかは、5年生までの単元学習がどれだけ深く理解できているかによって決まりますので、あやふやなものは夏休み前にスッキリさせておく必要があるでしょう。
○理科○
領域別の総合問題で入試問題に適応するとき
四谷大塚のカリキュラムでは、6年㊤は既習単元を総合的に仕上げていく内容となっています。
例えば生物分野は「植物」・「動物」・「ヒト」というような大きな括りとなり、化学分野は「水溶液」・「燃焼・熱」・「気体・金属」というような実際の出題を想定したまとまりになっていきます。
当然のことながら、それぞれの単元で要求される知識はしっかりと押さえたうえで問題演習を進めていく必要がありますので、インプットしたものをアウトプットしながら確認していくことになってくるでしょう。
○社会○
現代史と公民を進めながらも地理・歴史の仕上げのとき
他教科とは異なり、四谷大塚カリキュラムでも社会は未習単元が残っている教科です。
よって、新しい単元を進めながらも、これまでの地理・歴史を総ざらいしていく必要があり、その知識量は膨大なものになります。
理科と同様に、地理は「世界のすがた」・「現代の日本と世界」という括りになりますし、歴史は「政治・外交史」といったまとめ方になっていきます。
膨大な知識量が問われるのと同時に、背景知識や資料・史料の読み取りも要求されるのが実際の入試問題ですから、まずは夏休みまでに、必要な知識を定着させるようにしておきましょう。
これまで全5回に渡って中学受験 いつから準備すべきかというテーマでお届けしました。
これから中学受験を検討される方やすでにいま挑戦している方々に、何かしらお役に立てていれば良いのですが…