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執筆者の写真プラザくん

35.中学受験 いつから準備すべきか③

前回は中学受験が本格化する小学4年生になるまでに準備しておきたいこととして
その1 自分の好きなことに夢中になる経験
その2 カバンの中は頭の中、机の上はプライオリティ
ということを記しましたので、今回はその後半をお伝えしていこうと思います。


小4までに準備しておきたいこと その3

楽しいことは勝手にやる

好きなことに夢中になることと一部通じる部分もあるでしょうが、自分が楽しいと感じていることは、たとえ親に止められようが、叱られようが、ほんのちょっとのすき間時間でも、親の目を盗んででもやろうとするところはないでしょうか。

そのエネルギーを勉強に回せば、どれだけすごい成績が取れるのか… などとぼやきたくなることも、一度や二度ではないかもしれませんね。

では、実際にお子さんたちが楽しいと感じることの中に、勉強面での知的好奇心や達成感というものが含まれるとしたら、お子さんたちの行動はどうなるのでしょうか?


《実際の中学受験学習の指導現場で見てきた例》

○中学受験の学習に対して興味・関心を持てると、次の展開を知りたくなる。
○大変だけど乗り越えたときの達成感を味わうと、手を抜くのが嫌になる。

当然ながら中学受験の学習内容は、小学校では習わないような複雑な内容や難解な原理・法則をたくさん扱いますが、そこに「楽しいこと」を感じることができるかどうかというのがとても重要な要素になってきます。

楽しいという言葉がいろんな要素を含んでいるでしょうが、ここで申し上げる「楽しいこと」というのは、お笑い番組を見てゲラゲラ笑うとか、映画を見て面白かったというような受け身の状態で感じるものとは異なります。

なぜなら、学習面で楽しさを感じるためには、自分から能動的に取り組んだからこそ得られるという満足度が必要になってくるからです。

○やってみたら面白かったから、次もやってみたい
○大変だったけど、自分の力で乗り越えたらうれしい

おそらくお子さんたちの中では、これぐらいの認識だと思いますが、実はこの充実感や達成感という満足度は中学受験学習を進めていく上では必要不可欠な要素ですし、その満足度が高ければ高いほど、お子さんたちは中学受験学習にのめり込んでいくものと考えています。


実際に私どもの教室では、閉門時間ぎりぎりまで質問や自習をしていく小学生が普通にいらっしゃいますし、呼び出してもいないのに自習スペースに来て宿題を進める小学生も毎日見かけます。


きっとその方々は、ここでいう「楽しいこと」を体感しながら、中学受験の学習を進めているのだと思います。


では、どうすればそのような状況になってもらえるのかというと、それは『親主導よりも親始動』ということに尽きるかと思います。

保護者の方がきっかけづくりをして始まる中学受験学習ですが、世間一般では「中学受験は親の受験」という風潮がいまだに根強く残っているのではないでしょうか。


もちろん、大変な中学受験学習を乗り越えていくのには、ご家庭でのサポートは必要となりますが、いつまでも親管理・親主導で進めていくのは正直とても大変ですし、誰のためにやってるのかという違和感を覚えるのが率直なところです。


授業で分からないことがあれば質問をして理解してから帰るとか、宿題で困ったことがあれば来塾時に相談して解決するというような取り組みを当たり前にしていくことで、中学受験学習を少しでも「楽しいこと」に変えていくお手伝いができるように、私どもも日々励んでいこうと考えています。



小4までに準備しておきたいこと その4

課題があるから頑張れる

つい先日もあるテストイベントで保護者の方々にお話をいたしましたが、テスト結果に対する保護者の方の対応という点では、みなさん頭では理解しているつもりでもつい結果を目の当たりにしてしまうと…という方がたくさんいらっしゃいました。

その時に申し上げたのは、「いったん手にした成績表は変えられない」ということです。

保護者の方の血圧を上げたくてひどい点数を取るお子さんや、叱られたくて成績を下げるようなお子さんはいらっしゃらないと思いますから、すでに結果として出てしまった点数のことをあれこれ指摘されても、お子さんからすればどうすることもできないというのが本音のところだと思います。

あまりに結果に対する追求が厳しいと、目先の点を取るためだけの学習になってしまったり、怒られないように取り繕ったりというような方向に逸れていってしまう可能性があります。


お子さんからしたら自分を守るための防衛本能がなせる業でしょうが、保護者の方からすればその場しのぎのごまかしにしか見えませんから、どんどん事態は悪化する一方という悪循環に陥りかねません。


では、どうすればいいのかというと、結果が出てきたときにはそれまでの過程を一緒に振り返ってみるというのが解決策の一つではないでしょうか。

テスト結果はあくまでお子さん自身のプロセス評価でしかありませんので、望むような結果でないとすれば、どこかしら改善すべき点があったはずですから、客観的に振り返ってみるということが大切です。

それも、保護者の方主導で管理していくのではなく、お子さん自身が気づいて改善してくのが理想的ですから、気長につき合わないといけない面がありそうです。


お子さんのテスト結果を見て一喜一憂してしまう気持ちも分からなくはないですが、少なくともお子さんのテスト結果は保護者のものではありませんし、お子さん自身の能力や人格を評価しているわけではありません。

身の回りの世話や塾への送迎、家庭学習の手伝いなど、保護者の方からすれば「あんなに一生懸命サポートしたのに…」という無念さは分からなくもないですが、同じようにお子さんたちもいろんな誘惑に負けないように我慢をしたり、普通の小学生以上に机に向かう時間を確保したりして努力をされているのだと思いますから、保護者の方が「こんなにしてあげてるのに‼」という思いは、残念ながら親の心子知らずと言えるかもしれません。



今回は中学受験学習が本格化する小学4年生になるまでに準備しておきたいことの後半をお伝えしました。

次回は学年別に具体的な中学受験学習の内容についてお届けいたします。
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