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32.「怒る」と「叱る」③

前回は、何度注意しても同じことをするお子さんについて触れましたが、この1週間でお子さんたちに同じことを注意する回数はどれくらいありましたか?

「怒る」と「叱る」の最終回は、「怒り方」・「叱り方」について考えてみようと思います。

「怒る」と「叱る」①で触れましたが、保護者のみなさんがお子さんたちを注意したとき、「怒られた」と感じるのか、「叱られた」と捉えるのかによって、お子さんに反省や気づきを与えることができるのかどうかが変わってくるものと思います。

おそらく、保護者のみなさんが「怒る」にせよ「叱る」にせよ、その原因を作っているのは間違いなくお子さんの方ですから、どうしても「お子さんを変えよう」と接していることが多いのではないでしょうか

原因や理屈を探っても、おそらく保護者の方が正論であることがほとんどだと思いますし、親御さんに理詰めで注意されたお子さんが逆に大人を論破するなんていうことは滅多に起こらないことでしょう。

ですから、ついつい親目線で注意してしまう気持ちも重々理解できますが、ここで一度、お子さんにとって必要な「怒り方」とためになる「叱り方」について考えてみましょう。

言い換えると、怒ってあげるべきときに怒り、叱ってあげるべきときに叱ることができるようになっていくにはどうすればいいかということです。


お子さんにとって必要な「怒り方」

怒らなければいけない場面とはどういう時でしょうか?

例えば、道路に飛び出したりベランダから身を乗り出してたりするなどの命の危険がある時や、悪ふざけのつもりで他人に危害を加えそうになった時などは、瞬間的に「ダメッ!」ということを伝えなければいけません。

また、ご家庭内での決め事や親子間でのルールなど、これは守らなければいけないという枠から外れそうになった時も、本気で「コラッ!」と言わなければいけないでしょう。

つまり、自分や他人の身に危険を及ぼす時や人として許されない言動などをした時には、しっかりと怒ってあげなければいけません

お子さん自身が、「これをやったらすごい勢いで怒られるからやってはダメだ」と認識する必要があるからです。


では、どのように怒ればいいか?

怒る時のポイントは「3S=すばやく、その場で、真剣に」怒るということです。

お子さんが何と言おうが「ダメなものはダメ!」ということを理解してもらう必要があるので、多少感情的な物言いや少し厳しめの言い方になることもあるかもしれませんが、保護者の本気を伝えるということが大切かと思います。

ただし、お子さん自身に反省や気づきが得られるように、事後フォローとして、なぜ怒られたかということを落ち着いて話してあげるようにしましょう

そして、次に同じような場面でお子さんが自制できるようになったら、ちゃんと褒めてあげることもお忘れなく。


お子さんにとってためになる「叱り方」

どういう伝え方がお子さんに響くか?

前回のコラムで、同じことを何度も注意されるお子さんについて紹介しましたが、何度も注意しなければいけないということは、その方法では保護者の真意は伝わっていないとも言えないでしょか。

決して改善に向かうことがない言動を延々と言い続けるのは、言う方も言われる方もただストレスが溜まっていくだけですよね。

きつく言えば伝わるのか、優しく諭したら聞く耳を持ってくれるのか、あるいはほったらかしで本人が困れば気をつけるようになるのかなど、やり方はいろいろあるかと思います。

できれば、あの手この手で注意してみて、お子さんにとってどういう伝え方が響くかということをよくよく観察することから始めてみてもいいかもしれません。


叱る時に気をつけたいこと

大人も子どもも同じく、他人から命令されると「反抗する」か「その場から逃げる」か「言い訳をして身を守る」ような行動になりがちです。

言われただけで従順に言うことを聞くのは、よほどの力関係が影響しているか、諦めて言うことを聞いているかだと思われます(どちらも結局納得はしていないでしょうが…)。

そこで、今までの叱り方を少し振り返る材料をご提案したいと思います。


①具体的に問いかけてみる

どうしてもお子さんを注意するときは、「○○しなさい!」とか「○○して!」という命令口調になってしまいますよね。

例えば、「宿題やりなさい!」・「片づけなさい!」・「早くしなさい!」とか「ちゃんとやって!」・「しっかりやって!」など、ついつい口癖のように言ってしまうかと思います。

ただ、この時お子さんたちの中では、「いつまでにやれって言われていないから、そのうちやればいいや」・「ちゃんととかしっかりとか言われても、何をすればいいか分からない」といった言い訳がすでに心の中にあったりします。

《ご提案》
「宿題やりなさい!」
 ⇒「何時までに宿題を終わらせられるかな?」
「片づけなさい!」
 ⇒「ご飯の時に片付いてると嬉しいんだけど、自分で片付けできるかな?」
「早くしなさい!」
 ⇒「○時に出かけるけど、何時までに準備できるかな?」
「ちゃんとやって!」「しっかりやって!」
 ⇒「○○なようになっていると助かるんだけどできるかな?」

保護者のみなさんは無意識でも、お子さんたちは上から言われている感覚を持っているはずです。

ですので、あえて目線を揃えてお子さんに考えさせるような具体的な問いかけをいろいろ繰り返し、お子さん自身に答えを言ってもらうことで、保護者のみなさんの意図が少しずつ理解できるようになるのではないでしょうか。


②過去の叱責を未来の選択肢へ変える

「なんで○○なの?」
「どうして○○するの?」
これまたついつい口走ってしまうフレーズではないかと思います。

お子さんたちはよく保護者の方の想像や理解を超えた行動をすることがありますよね。

裏を返せば、「○○すればいいのに」とか「どうして○○しないのか不思議」というような、大人目線の顛末が見えているからとも言えないでしょうか。

肝心なのは、お子さんたちはどうしても目先のことにとらわれて行動しており、後から「なんで?」・「どうして?」と言われても取り返しがつかないことだけは理解しているという点です。

ですから、お子さんたちが何かやらかしてしまったときに悪意がなければ、やってしまったことを責めるよりも次はどうすべきかを考えてもらう方が建設的だと思います。

《ご提案》
「なんで、そんなことしたの?」
 ⇒「そんなことしたら相手はどう思うかな?」「自分がされたらどうかな?」
「なんで、宿題しないの!」
 ⇒「宿題をやる時間と早く終わらせる方法を決めようか?」
「どうして、ゲームばっかするの?」
 ⇒「ゲームをするときのルールを決めて楽しく遊ぼうか?」

もちろん、何回か言ったら別人のように言うことを聞くようになるなんてことはないと思いますが、少なくとも、一方通行で効き目がない叱り方を続けるよりは、少しずつでもお子さんたちに変化・成長が見える方法にトライしていった方が、精神的にも健全に過ごせるようになってくるではないでしょうか。

お子さんと接していれば日々感情的にカッとなってしまったり、ついついいつものフレーズを口走ってしまったりするでしょうが、理屈通りに即解決することはあまり期待せずに、あえて目をつぶってみるとか、見て見ぬふりをするなどの受け流しもしつつ、お子さんへの働きかけを試してみてはいかがでしょうか。
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