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26.たしかな計算力②

前回は「たしかな計算力」にたどり着くために「計算の速さ」についてお伝えしました。
今回は「暗算でできること」について考えてみたいと思います。

初めに誤解がないようにお伝えしておきますが、暗算でできることや暗算に挑戦することは、お子さんが計算問題に向かっていくうえでとても前向きな活動と言えます。

ですから、小学校低学年のうちは、暗算に挑戦して間違えてしまったり、暗算することで余計に時間がかかってしまったりということもあるかもしれませんが、頭の中で一生懸命数字を処理しようとしていること自体がすでに立派な脳トレになっているはずですから、そっと見守ってあげることが大切です。

ついつい、
「間違えるくらいなら筆算しなさい!」とか
「暗算で時間がかかるなら筆算書けば!」とか
口をはさみたくなってしまいますが、まずはお子さん自身がじっくり計算問題に向き合ってみて、自分のやりやすい方法を取捨選択していけるようになるために時間をたっぷり取ってあげてもいいのではないかと思います。


暗算に慣れていないお子さんの暗算で起こっていること

①頭の中で数字を1つずつ数え上げる

これは指折り計算の暗算バージョンとでも言いましょうか。
日めくりカレンダー方式とでも言いましょうか。
とにかくたし算であれ、ひき算であれ、1ずつ数え上げればいずれは答えにたどり着くという、とてもシンプルな方法です。
当然ですが、数が大きくなるとその分時間がかかります。
その時に、少しだけ近道するために10の束や100の束を使うなんてことを取り入れていければ、いずれ要領よくできるようになるかもしれません。


②頭の中で筆算を思い描く

桁数が大きくなければ、意外にできるお子さんがいらっしゃるのではないかと思います。
ただ、繰り上がりや繰り下がりが入ってくると、数字を頭の中に置いておけなくなってしまうこともあるかもしれません。
また、一の位からゴールまでたどりついても、答えは左から読んでいくという作業が最後にあるため、いろんな数字を動かして置いておくという力が必要になりますが、頭の中に数字を置いておくトレーニングにはなっていると思います。
いっそ筆算を書いてやればいいのにとも思いますが、中学受験の算数では、複数ある条件を捉えながら必要なものを選んでつなぎ合わせていくという力が要求されるので、長い目で見れば決して無駄な作業とも言えない面があります。


暗算に慣れていないお子さんが暗算で答えを出そうとしているときは、想像以上にいろんな力を使って計算しているはずですので、どんな方法で考えたかを聞いてあげるとちょうどいい復習になるのではないでしょうか。

もしかすると、単に筆算を書くのが面倒くさいだけかもしれませんが…


《暗算に挑戦するときの注意点》

一般的によく知られている暗算方法としては、そろばん式暗算が有名です。
そろばん式暗算では、頭の中にある”空想そろばん”の珠を実際にはじいて計算をしています。
指でそろばんをはじきながら計算をするあのしぐさです。

ただし、そろばん式暗算と、小学校で教わる筆算では、頭の中で行う作業が全く異なるのでご注意ください!

例えば2けたどうしのたし算・ひき算の場合
そろばん式暗算だと十の位から計算し、筆算だと一の位から計算し始めます

つまり、初めにどこから手を付けるのかが全く逆になっています。

そろばん式暗算を導入される時には、小学校で習う筆算と混乱しないように注意する必要があるなんて話をたまに耳にしますが、お子さんは意外とたくましいもので、自分にとってやりやすい方を選択していくようになったりもします。


いずれにしても、暗算でできた方が先々いいのではないかと考えがちですが、当然ながら暗算でできることにもメリットやデメリットがありますし、お子さんのタイプや時期によっても向き不向きがあるものです。


①暗算のメリット 

1.計算に自信が持てる。

暗算で答えが出せるのは、計算が得意ではない子からしたら、神業のように見えるかと思います。
特に、桁数が大きい数やみんなが筆算をしているような計算を暗算でできたら、お子さん本人も得意な気持ちになるでしょうし、周りからしても「すごい!」と認めてもらえることだと思います。

2.短時間でできる。

他のお子さんが式や筆算を書いている間に頭の中で計算ができる訳ですから、余計なことは書かなくてできる分、時短となるはずです。
前回も触れましたが、暗算でできれば他の子より速くできることにもつながります。


②暗算のデメリット 

1.計算間違いに気づきにくい。

頭の中で計算をして答えまで出してしまうので、途中で勘違いをしていても気づけないことがあります。
さらに、暗算に自信があればあるほど、自分の答えを少し疑ってみるということがなくなってきますので、ほんのちょっとしたミスを見逃してしまうこともあります。

2.後からたしかめができない。

中学受験や中学校数学のように、複数の関係式があったり複雑な計算過程を踏まなければいけなかったりした時に、計算の足跡が残っていないと自分がどこでどんな計算をしたのか見つけられないということがあります。
最初から最後まで振り返ることなく問題を処理しきればいいのかもしれませんが、問題の途中でふと立ち止まって過程を見直したり続きを考えたりすることは必ずあるはずです。
計算は暗算で行うとしても、途中式や関係図などを書き上げていく作業を同時に行うことはとても重要なことと言えるでしょう。


まとめ

おそらく、学年や年齢によっても見解は異なってくるでしょうが、小学校低学年のうちは基本的に扱う数が整数ですから、暗算に挑戦する姿勢は大歓迎だけどMUSTではないという感じでしょうか。

逆に、そろばんなどですでにある程度の暗算ができるお子さんであれば、暗算を奨励しつつもいざとなれば式や筆算も書けるというのが理想的な姿と言えるでしょう。

「たしかな計算力」という点で言えば、答えに確実にたどり着けるのなら、暗算でも筆算でもどちらでもいいというのが正解かもしれません。
暗算もある程度極めれば、ミスなく速くできるでしょうし、筆算も慣れればスピーディーに処理できるようになりますので、どちらでないと不利になるということはあまりないかと思います。

ただし、最近の中学・高校入試問題の傾向からすると、途中経過を書かせたり、自分の考えを記述させたりという出題が増えていますので、自分のために暗算・筆算するだけでなく、他の人に見てもらうことを意識して、途中経過・図・表などを書けるようにしておくことはとても重要です。


今回は「たしかな計算力」にたどり着くために、「暗算でできること」をお伝えしました。
次回は「計算間違いをなくす方法」について触れていこうと思います。
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