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20.記憶力とは?③

今回は、記憶力を鍛えるためにはどうすればいいのかについて、ご自宅でもできる簡単な方法をご紹介していこうと思います。

前回もご紹介した通り、幼児期の記憶が定着しないのは、子どもの記憶が「短期記憶」だからでした。ですので、幼児期の記憶があるかどうかは、お子さん自身の記憶力とはあまり関係がないこととも言えるでしょう。

では、そもそもの記憶力を鍛えるのにはどうすればよいか?

一説には、人が記憶することができる容量はもともと決まっていて、トレーニングなどでその量自体を増やすことはできないとも言われていますが、もともとの容量を最大限に活用できるかどうかという点に関しては、やり方次第で伸ばしていける可能性があるようです。

私たち大人は今までの経験から、ある種の新しい情報を単体で記憶するのではなく、何かと関連付けたり、思い出しやすいようにしまっておいたりという工夫や手段を知っています。

ただし、お子さんたちはそういった記憶するためのコツや記憶を引き出すための術を、大人より経験していないはずです。

ですので、お子さんの記憶力を鍛えるのは、記憶できる量を大きくするのではなく、記憶するためのコツや記憶したものを引き出すための術をトレーニングしていくことが近道ではないかと思います


《記憶力を最大限に活用するためのポイント》

⑴声に出したり、オノマトペを用いたりして繰り返す

見たものを声に出すことによって、同時に自分で聞くという過程を経ることになります。
前回も触れましたが、五感をフル活用することで、さまざまな情報を頭の中にイメージしやすくすることができるようですので、絵本の読み聞かせの時などは、お子さん自身に本を持ってもらい、時々挿絵を指さしながら、できるだけ五感をフル活用することを意識してみるといいかもしれません。

また、物事の状態をオノマトペ(擬態語・擬音語・擬声語など)を用いて表現することによって、より詳しいイメージとして記憶に残りやすくできると言われています。
例えば、「ボールを投げてみて」というよりも「ボールをビュンと投げてみて」と言った方が、速いボールを投げるイメージが伝わりやすいですよね。
そうやって、1つ1つの動作にどんな感じなのかを付け足していくと、感覚的に記憶に残りやすくなると言われています。

上記のいずれの場合も、覚えようとして記憶するのではなく、お子さんが自然と身につけていくものを増やしていくということと、感覚的なイメージを持っていろんな情報や知識を吸収していくという記憶のコツのようなものと言えるかもしれません。


⑵会話でワーキングメモリーを鍛える

ワーキングメモリーは短期記憶に似ていますが、ある情報を頭の中に記憶しておいて、順番に処理していく能力のことを言います。

会話でワーキングメモリーを鍛えることがなぜ記憶力につながるのかというと、いったん記憶したものを思い出しながらアウトプットしていくという過程を繰り返すことで、インプットとアウトプットを交互に繰り返すだけでなく、その場の状況や話の流れ、相手との関係性なども考えて情報を取捨選択していくことになるからだと言われています。

特に、小学生の頃は、ワーキングメモリーの容量が広がり、複数の情報を同時に保持しながら、情報の結び付けや順序付けなどの高度な操作を行うことができるようになる時期と言われています。

ですから、その日あった出来事や少し前にあった過去の出来事など、思い出しながら会話をする機会を増やすことで、その場に応じた情報処理をしながら、インプットしたものを的確にアウトプットしていく術を自然と身につけていくことができるかもしれません。

以上のようなことは、比較的簡単に日常生活に取り入れていくことができるのではないかと思います。

もちろん、他にも知育玩具で遊ぶとか、ズバリそのまま数独やクロスワードパズル、神経衰弱などで記憶力を鍛えるという方法もあると思います。

ただ、肝心なことは、お子さん自身が興味を持って取り組めることが一番大切だというのだけは忘れないようにしていきたいですね。
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