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執筆者の写真プラザくん

19.記憶力とは?②

前回は、「そもそも記憶力とは?」といった内容で、海馬や大脳皮質といった脳のはたらきと鍛え方についてご紹介しました。
今回は、「子どもの短期記憶」についてお伝えしていこうと思います。

まず初めに、
「幼児期の子どもの記憶力の高さに驚いたご経験はありますか?」

例えば、お気に入りのアニメのセリフやテーマソングを口ずさんだり、興味のある分野の知識を次から次へと言えるようになったりというサプライズを見聞きした方は、
「まだ字の読み書きも出来ないのに、こんなにいろんなことを覚えているなんて、天才かも…」
などと思ってしまうかもしれません。

しかしながら、小学生に幼児期のことをどれくらい覚えているかを尋ねてみると、これまたビックリするほど何も覚えていないということがよくあります。

「せっかく〇〇へ旅行に連れて行ったのに…」
「あの時、あんなに楽しそうにしてたのに…」
といった親御さんのボヤキが聞こえてきそうですね。

個人差はもちろんあるでしょうが、幼児期の記憶が定着しないのは、子どもの記憶が「短期記憶」だからだと言われています。

《短期記憶の特徴》
①一度に覚えられる量が少ない
②覚えていられる期間が大人より短い

つまり、幼児期のことをまったく覚えていないのは、脳の発達途中である子どもにとって、致し方ないことと言えます。


では一時的に覚えていた「短期記憶」を長期的に保存する「長期記憶」にすることはできないのか?と言うと、
「だんだんできるようになる」 というのが答えかもしれません。

「だんだん」という表現があいまいですが、子どもの記憶の成長には、言葉の力や時間の概念なども関係してくるため、ある種のトレーニングをしたからと言って、すぐに成果が出てくるものではないというのが実情のようです。

ちなみに、「短期記憶」を「長期記憶」に移行していくためには、いくつかの条件があるそうです。

《短期記憶を長期記憶に移行していくための条件》
①お子さん自身が興味を持っていること
②五感を使って何度も繰り返すこと
③十分な睡眠をとること  など

冒頭でも述べましたが、幼児期の子どもの記憶力の高さには、上記①と②が大きく関わっていると考えられませんか?
おそらく、好きなものを何度でも繰り返し見たり、聞いたり、真似したりすることで、自然と「興味」があるものを「繰り返す」ことになっていたのでしょう。

また、脳は寝ている間にその日にあったことや覚えたことを整理しているらしく、睡眠不足は脳の成長や発達に大きく影響すると言われています。
当たり前のことかもしれませんが、十分な睡眠時間は、体の成長だけでなく、脳の成長にも大きな影響があるということですね。


今回は、「子どもの短期記憶」についてご紹介しました。
次回は、記憶力を鍛えるためにはどうすればいいのかについてお伝えしていこうと思います。


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