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7.小1プロブレム②

「小1プロブレム」の発生状況は、4月が圧倒的に多く、次いで5月・6月・9月となっているとお聞きになって、なんとなく保護者の方々は心当たりがつきますでしょうか。
きっと、何かしら時期的な要因が関係していると思われますので、こちらが思い当たることを書き並べてみたいと思います。


《4月》新学年(進級・入学)=学校の環境が一新される月
慣れ親しんだ先生・クラスメイト・教室などがすべて新しいものになります。
仮にクラス替えがなく持ち上がりだとしても、先生が変わったり、教室や教科書が新しくなるだけで気分的には落ち着かなかったりします。

《5月》ゴールデンウィーク明け
新学年がスタートして約3週間すると、ゴールデンウィークになります。
公立の小学校であれば、基本的に暦通りのため飛び石連休となってしまうかもしれませんが、それでも休みが多い分、張りつめていた緊張感をほぐすのにはちょうどいい1週間を過ごせることが多いのではないでしょうか。
その休暇で少しホッとしたのも束の間、ゴールデンウィーク明けからは、毎週休みなく学校生活が続きます。実は、ゴールデンウィークの次の祝日は「海の日」ですので、夏休みまで月~金の学校生活が続くこととなります。
同時に運動会や学習参観などの行事も増え、体力的にも厳しくなってくる頃です。

《9月》夏休み明け
5月同様、6週間の夏休みが終わり、また学校が始まるのが大きなきっかけになっているのは間違いないかと思います。
夏休みがいつまでも終わらなければいいのに……と思うのは今も昔も同じなのではないでしょうか。

意外なのが《6月》
5月から学校行事が本格化しているのも一因としてあるでしょうが、それ以外の外的要因として、「梅雨」というのも挙げられると思います。
ただでさえ祝日がないのに、梅雨時には外でストレス発散をする機会が減ってしまいます。雨が好きというお子さんであれば別ですが、傘をさして、びしょ濡れになって嬉しいということはあまりありませんよね。
また、じめじめして蒸し暑い日が続くことも、お子さんにとってはあまりプラスにはたらかない要因の1つと言えるような気がします。
実は子どもたちの意欲・集中力というのは、いろんなものに左右されていて、すっきりしない天気が続くことだけでも気持ちの変化に影響があるのかもしれません。

では、それ以外の時期はどうかというと、
《7月》もうすぐ夏休み!
《10月》過ごしやすい天気!祝日もあり行楽シーズン!ハロウィン!
《11月》30日の中に祝日が2日!冬が近づく=クリスマスが近づく!
《12月》クリスマス!冬休み!
《1月》冬休み!お正月!
《2月》28日の中に祝日が2日!バレンタイン!
《3月》学年末=春休み!

「小1プロブレム」の発生状況が少ない月に共通するキーワードは
①祝日 or 学校休業(冬・春)
②大きなイベント
の2点かと思います。
つまり、学校生活以外に楽しめることや、ホッとできる時間が増えることというのが少なからず関係しているのではないかと思います。

誤解がないようにしたいのですが、学校に行くことが悪いのではなく、学校生活でお子さんたちが奮闘しているからこそ、息抜きや楽しみが大切ではないかということです。
特に、小学1年生は小学校生活の経験値が0ですから、見るもの聞くもの、やることなすことすべてが新体験となります。学校生活の中では、大人が想像する以上に様々な刺激を受け、不安になったりワクワクしたりしながら成長しているのだと思います。

ただし、お子さんがホッとできる場所さえあればいいのかというとそうではありません。お子さんがホッとできる場所・時間に必要不可欠なのが「ご家庭」であることは最も重要なところかと思います。
お子さんたちにとっての「ご家庭」が、ホッとできる場所・素のままの自分でいられる場所であり、わがままや好き勝手なことを聞いてもらえる人がいるというのがとても重要だということです。
「ご家庭」がお子さんにとって何よりの安心場所であること。これに勝る癒しはないかもしれません。

さらに、ご家族やお友達で楽しめる共通のイベントがあったりしたら、お子さんにとっても毎日が前向きに充実して過ごせることが多いのではないでしょうか。

そういう視点で4・5・6・9月を見てみると、たしかに長期休暇明け・イベントが少ないという共通点があるような気がします。
それならなおさら、いつも以上にお子さんたちの様子や言動に注意を払ってあげることで、お子さんたちが落ち着きを取り戻して学校生活を過ごせるかもしれません。

では、「小1プロブレム」となってしまわないようにするための「ご家庭」の役割については、もう少し詳しく次回お伝えいたします。きっと「小1プロブレム」だけでなく、他学年のお子さんたちにとっても関係がある内容になるかと思います。



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