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執筆者の写真プラザくん

18.記憶力とは?①

「〇〇さんは記憶力がいいからうらやましい…」
「うちの子は記憶力がよくないから…」
など、記憶力の良し悪しについて会話をされたことはありませんか?

一度見聞きしただけで、パッと頭の中に入ってしまうお子さんの様子を目の当たりにすれば、誰しもがうらやましいと思われるでしょうし、逆に、何度も同じことをやっているのに定着しない姿を見ると、ついつい記憶力が……と言いたくなってしまう気持ちも分からなくもありません。

そこで、今回は「記憶力」について、一般的な解釈や低学年特有の現象などにも触れながら進めていきたいと思います。
ただし、脳の構造やはたらきといった部分に関しては、未知の部分が多く専門的な領域のため、あくまで一般論としての内容をご紹介していることをご承知おきください。


《そもそも記憶力とは?》

脳は複雑な器官であり、記憶は複数のプロセスと脳の領域が関与する複雑なネットワークによって形成されるようで、その主要な関与領域は海馬や大脳皮質だと言われています。
また、記憶は海馬と大脳皮質をつなぐ神経回路やシナプスを介して情報が伝達され、神経回路の結合やシナプスの可塑性(外から力を加えたときに変形させることができ、その後力を加え続けなくても元の形に戻らない性質のこと)が、新しい情報の取得や記憶の形成に重要な役割を果たしているとも言われています。

海馬とは?
新しい情報の短期記憶を長期記憶へ変換する役割を果たし、空間的な記憶も関与
大脳皮質とは?
情報の処理や記憶の統合を担当し、視覚、言語、聴覚などの情報を受け取り、統合して長期記憶を形成する

ただ、脳の構造やはたらきを知ったところで、直接手出しできることはあまりないのでは……
自宅でできる海馬や大脳皮質を鍛えるトレーニングメニューのようなものがあればいいのに……

という方に、一般的に知られている方法をいくつかご紹介します。


《海馬や大脳皮質を鍛えるには?》

①認知的な活動を行う

パズル、クイズ、脳トレゲームなど、認知機能を必要とする活動を取り入れることにより、海馬と大脳皮質の両方を刺激することができます。


②新しいことに挑戦する・クリエイティブな活動を行う

新しい言語を学んだり、楽器を演奏したり、興味のある分野を学び続けることで、脳に刺激を与え海馬や大脳皮質を活性化させることができます。

また、絵画や音楽、文章を書くなどのクリエイティブな活動は、創造力や柔軟な思考を促し、同じく脳に刺激を与えることができます。

③記憶力を鍛える活動をする

情報の覚え方や記憶力を改善するために、メモリーゲームや記憶力を必要とする活動を取り入れることにより、海馬の活性化と大脳皮質の記憶機能が刺激されます。


④身体活動を行う

適度な運動や有酸素運動は、脳の血液循環を促進し、海馬と大脳皮質の健康をサポートします。

定期的な運動は認知機能の向上や情報の処理能力の向上にもつながります。


⑤健康な生活習慣を維持する

バランスの取れた食事、十分な睡眠、ストレス管理など、健康的な生活習慣を保つことも海馬と大脳皮質の健康に重要です。


当然のことながら、個人によって結果にはばらつきがあるため、それぞれに合った方法を見つけてバランスよく生活に取り入れていくことが大切ですが、1つ言えることは、お子さんの年齢・状況に応じて適度な刺激を継続していくことかもしれません。
できればお勉強としてではなく、お子さんが前向きに取り組めることを自然と生活の中に組み込んでいけたら理想的ですよね。

そのためには、ご家庭の中だけでなく、近所の各種カルチャースクールやスポーツ関連の習い事などを活用するのも有効だと思います。
上記の方法はいずれも、一人で完結するよりは、誰かと関わり合いながら取り組んだり、誰かに支えてもらったりすることでより効果を発揮するもののような気がします。

今回は、「そもそも記憶力とは?」といった内容でお伝えしました。
次回は、低学年や未就学児の短期記憶といったことをお伝えしていく予定です。
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