教育プラザ高校入試説明会からの第4弾は、「千葉県公立高校の選抜方法」についてお届けします。
第4弾…千葉県公立高校の選抜方法」
令和3年度の公立入試一本化以降、千葉県公立高校の選抜方法ではいくつかの変更点がありました。
例えば内申点の中学校間格差を是正し、内申点の高騰を抑えるため使用されていた「算式1」の廃止はその代表例と言えるでしょう。
また、学力検査を2日間に分けて実施するようになったり、調査書の評定以外の加点に上限が設けられたりしたことも大きな変化だと思います。
ちなみに、現在は下表のような方法で選抜が行われています。
①学力検査
各教科100点満点なので、基本的にどの学校も500点満点。
ただし、理数科は数学・理科、国際関係に関する学科は英語をそれぞれ1.5倍または2倍する傾斜配点の採用が可能。
令和6年度は、市立千葉[理数科]、木更津[理数科]の2校以外は傾斜配点を採用しました。
②調査書評定
9教科×5段階×3学年=135点満点に各校が定めた「K」の数値をかけて調査書評定(内申点)となり、「K」の数値は各校がその特色に応じて0.5~2の範囲内で定めることができます。
【Kの数値が1以外の学校(令和6年度)】
■K=0.5 (評定は 135×0.5=67.5点満点)⇒入試学力重視
千葉 千葉東 船橋 小金 東葛飾 佐倉
■K=2 (評定は 135×2=270点満点)⇒内申点重視
犢橋 八千代東 船橋啓明 船橋二和 船橋北 浦安南 鎌ヶ谷西 野田中央 関宿
我孫子東 沼南 沼南高柳 佐倉東 四街道北 銚子 銚子商業 市原緑
ここで気になるのは、中学校間格差を是正するための「算式1」がなくなってしまうと、中学校によって内申点の付け方が大きく異なってしまうのではないかという点です。
実際に中学校ごとの格差が出てきた場合、内申点そのものが入学者選抜の資料としては公平性を欠くものになってしまう可能性が否めません。
その対策として、「算式1」を廃止する代わりに、各中学校の校長は「学習成績分布表及び個人成績一覧表」を作成し、事前に電子データ(Excel)を教育事務所長or千葉市教育委員会教育長に提出してチェックを受けることとなっています。
そして、各教育事務所長or千葉市教育委員会教育長の確認を受けた中学校評定合計平均値を、学習成績分布表の所定の欄に記入することが義務付けられています。
かつての「算式1」では、中学校評定合計平均値が95を超えると、超えた分の点数を入試でマイナスすることで内申点の高騰を抑えていました。
現在は一連のチェック機能によって、内申点の高騰を抑えようと試みているようですが、実際は中学校評定合計平均値が96以上(かつては減点対象だった)の学校数は年々増え続けています。
③学校設定検査 ※再掲載
各高等学校において、面接、集団討論、自己表現、作文、小論文、適性検査、学校独自問題による学力検査、その他の検査のうちから1つ以上の学校設定検査を実施することになっています。
その他の検査として、令和4年度入試より県作成の「思考力を問う問題(60分・100点満点)」を選択することが可能となりましたが、令和6年度は県立千葉・千葉東・東葛飾の3校が採用しました。今後は他の学力上位層の学校でも導入校が増えるかもしれません。
なお、1つの検査を行う場合は10~100点、2つ以上の検査を行う場合は合計で150点が上限です。
※例外※
☑専門学科で適性検査を2つ以上+面接の場合は、面接の配点を50点までとし、合計200点が上限。
☑市立高等学校にあっては市立高等学校を設置する市教育委員会が定める選抜の要項に基づくため
市立習志野(普通2段階目・商業)
市立船橋(商業・体育)
市立柏(スポーツ科学)
の3校は学校設定検査の配点が300点以上。
参考までに、令和6年度入試における、千葉県の1学区(千葉市)の各校配点合計を掲載しておきます。
学力検査500点+内申点135点=総得点635点満点の高校が見当たらないので、志望校の状況は必ず確認しておく必要がありそうです。
今回は「千葉県公立高校の選抜方法」についてお伝えしました。
次回は「調査書(内申点)」について解説していきます。
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