本格的な中学受験をしていくのであれば、中学受験と習い事を両立するのは難しいなんてことを耳にしたことはありませんか?
実際に中学受験のコースのある塾に行ってみると、通塾日数との兼ね合い、必要な家庭学習をこなすための時間の確保などを理由に、習い事を整理しましょうと言われることがよくあるようです。
例えば誰もが知っているような大手中学受験塾では、小学4年生で最低週2日、小学5年生からは週3日以上の通塾を前提としたカリキュラムが組まれていることが一般的ですが、本格的に中学受験の学習を進めるためには、それなりの学習量が必要になってきますので致し方ない面もあるとは思います。
少し大げさな言い方になりますが、中学受験の学習をしっかり進めていくのであれば、小学校とは別にもう1つ学校に通うぐらいの感覚で取り組まないと太刀打ちできないのが現実です。
なぜなら、教科名こそ同じ国語・算数・理科・社会となっていますが、中学受験の内容は小学校とは全く別物となっているからです。
教育プラザは四谷大塚の提携塾として中学受験の指導を行っていますが、小学校で習う算数の内容は5年生の半年でほぼ終了となりますし、理科・社会は中学校よりも詳しく学習していきます。
おそらく中学受験の理科・社会をひと通り学習し終えた方なら、公立高校の入試問題で平均点以上取れるだけの力がついていてもおかしくないと思います。
それだけのことをやっていくのですから、学習量に応じた時間が必要になってくるのは確かなのですが、だからと言って好きでやっている習い事を途中でやめなければいけないとなると、やはり複雑な思いがしますよね…
問題は大人から見たら同じように見える習い事も、お子さんからすると思い入れや重要度、心身の成長に与える影響などがそれぞれ異なるということです。
では、改めてお子さんにとっての習い事がどのような影響を及ぼしているのかについて考えてみましょう。
例えばためになるからやっている習い事なら、さほど思い入れはないかもしれません。
いずれ役に立つからやっている習い事も、一時期ブランクを空けてから再開することはできるでしょう。
ただ、本人が好きでやっている習い事については、慎重を期す必要があるように思います。
「毎週〇曜日は△△の日だからワクワクする!」というような習い事は、実は習い事が上達する以上にお子さんの成長に関係していることがあります。
お子さんによって、それは生きがいとも呼べるものかもしれませんし、週に1度の貴重なストレス発散の場になっているかもしれません。
あるいは、小学校とは異なるメンバーとの交流から多くのことを吸収しているかもしれませんし、将来の夢に通じるような強い信念を伴うものかもしれません。
少なくとも、通塾日と重なるから終わりにしましょうと簡単に割り切ってしまうのは、大人の想像以上に危険な場合があることだけは留意すべきです。
もう一つ別の観点から
そもそも中学受験をして通う中学校生活に何を望んでいますか?
という問いに対して、ご家庭ではどのような答えをお持ちでしょうか。
例えば中学校に入学後、部活動に励みたいとか、私立独自のクラブ活動に打ち込みたいとかいろいろな望みがあって学校選びをすることがあるかと思います。
そのような望みを叶えるためにも、好きな習い事のいくつかと中学受験学習を両立していくことは、一見無関係なようでとても密接な関係があることだと考えています。
なぜなら、限られた時間を上手にやりくりできる術を身につけながら志望校合格を目指していくことは、中学校入学後に学業と趣味を両立させていくことにつながっていくはずだからです。
自分の好きな習い事を両立するために時間を有効活用する力、優先順位をつけたりすき間時間を活用したりする力、これらは問題を解き進めるうえでも必要な要領の良さにもいい影響を及ぼすのではないでしょうか。
実際にこれまでの卒業生たちを見ていると、やりくり上手な方は、中学校入学後ものびのびと有意義に過ごされている方が多いように思われます。
せっかく選んでいく中学校ですし、そのために勉強もそれなりに大変な思いをしてやっていく訳ですから、中学校入学後にもいい影響を及ぼすであろう習い事の1つや2つは、できるだけ両立しながら中学受験学習を進めていけたらいいですね。