毎年秋になると、私立中学校で本番入試に向けた入試説明会が行われています。
我が子が受ける学校であれば当然チェックしておくべき内容ですし、もし耳寄りな情報が得られるのならと躍起になる保護者の方が多くいらっしゃるのも当たり前のことと思います。
そこで今回は、中学入試説明会後の学習について、本番入試の出題傾向や留意点が示された後に気をつけたいことについてお伝えしていきます。
①出題傾向はそのまま信じて大丈夫か?
特に理科・社会で毎年よく耳にするのが、ある単元や分野の出題をしますというような内容です。
国語や算数と違いその年に起こった自然現象(災害)や社会的な出来事と関連が深い教科でもあるため、理科・社会は時事的な話題が出題されやすいという面はあるかと思います。
ただ、中学校側の説明が細かく単元・領域を明言した場合を除いては、
「今年は大地震がありましたので、地学分野に要注意です。」
「衆議院議員選挙がありましたので、選挙制度などは出るかもしれません。」
といった程度だと何とも微妙なラインのような気がします。
また、国語ではどのような文章が出るかは教えてくれても、どの文章を出題するかは教えてくれません(当たり前ですが…)し、算数も「特殊算・文章題」とは言ってくれても、「周期算を出す」とは言ってくれないのが普通です。
中には、「植物の〇〇は気をつけましょう!」といって出題されなかったなんてこともありますので、入試説明会の内容がそのまま出題される訳ではないということだけは念頭に置いておきましょう。
②入試説明会で聞いた出題傾向への対策はどうすればいいか?
入試説明会の内容は私立中学校の担当者が公表されていることなので、ある程度の信憑性はあるのでしょうが、当然のことながら満点分の出題傾向を教えてくれる中学校はあまりありません。
仮に問題構成や単元を教えてくれたとしても、何を出すのかまでは分かりませんので、出題傾向に偏りすぎた対策というのは少なからずリスクがあると考えておいた方が無難だと思います。
特に、苦手分野が出題されるかもしれないからといって、もう一度要点をノートにまとめ直したり、一から復習し直したりというのはあまりお勧めできません。
なぜなら、ノートまとめというのはインプットする作業ですが、入試問題ができるようになるにはアウトプットする力が必要になるからです。
その意味で、インプットし直すよりも、アウトプットしながら抜けや漏れをふさいでいく方が効果的だと思います。
夏休み以降は新出単元の学習はなくなり、単元学習の仕上げと入試問題への対応を同時進行させていく必要がありますので、これまでの学習方法とは異なってくるのが通例です。
おそらくどこの中学受験塾でも時期に応じたカリキュラムでの指導がされているでしょうから、基本的にはその流れをうまく活用するのが一番効率的だと思います。
ただ、千葉県の中学受験は12月1日に推薦試験が始まり、その他入試も1月20日からの1月中に行われますので、首都圏の中でもやや前倒しで計画を立てる必要がありますから、入試本番までにやるべきことをまとめてスケジュール立ててやっていくことをお勧めします。
ご参考までに
①各教科の単元学習
⇒ 抜け・漏れをふさぎ入試実戦レベルに上げる
②過去問演習
⇒ 出題傾向になれる+弱点補強+出題傾向を押さえる
今年も私立中学の推薦入試まで50日を切りました。
本番までの期間は何かと不安になったり、ちょっとしたことできっかけを掴むこともあれば自信を失うこともあったりしますが、一番大切なのは入試本番を見据えて、受験生と並走していくことのような気がします。
何か迷ったり困ったりすることがあれば、通われている中学受験塾の先生などに相談してみるといいかもしれませんね。